人はどうしても他人と比べたがるもの。
「私はこんなに頑張っているのに、あの人は苦労もせずに出世している」「あの人の自由な生活が羨ましい」「あの人に比べて私ってどうしてこんなにできないのだろう」など・・・
他人と比べて相手に嫉妬をしたり、自分の生活や環境に不平不満を言い続けたりしていると、あなたは心はざわつきはじめます。そして心は穏やかさをなくし、せっかく用意されている幸せもどんどん遠のいてしまうのです。
どうしても他人が羨ましく思えたり、他人と比べたりしてしまうときに使える、「心を穏やかにするための3つのコツ」をお伝えします。
1. あなたは唯一の特別な存在であることを知る
当然ですが、誰一人として、”あなたと同じ人”は存在しません。
ほかのだれも”あなた”になることはできない、あなたはこの世で唯一の特別な存在です。
あなたが羨ましく思っている人も、あなたとおなじように、この世で唯一の特別な存在なのです。
私たちにはそれぞれが個別に与えられた人生があり、それぞれの道を一生懸命に生きています。
当たり前のように思えるこのことを忘れてしまうから、つい『他人と比べてしまう』のです。
それぞれの存在が全く異なるものであることに気付けば、比べること自体が無意味なことだとわかるでしょう。
私たちは、ほかのだれかになることはできません。同様に、ほかのだれかはあなたになることはできないのです。
あなたは、「劣って」はいない。
あなたは、「勝って」もいない*。
あなたは、ただ「あなた」であるにすぎない。
自分を他人の基準で判断するのはやめよう。あなたは他人ではないし、他人の基準に達する必要もない。
他人もまた、あなたの基準には達しないし、達する必要もないのである。
あなたの目標は、あくまでも自分のユニークな人格と成果を生み出すことなのだ。
*日本語訳では「あなたは、優れてもいない」となっていましたが、私個人的には、原語(英語)の”You are not superior.”は流れから言って、「(他人と比べて)あなたは勝(まさ)ってはいない」という意味で捉えた方が良いと思い、変えています。
私たちは、それぞれが違っていて当然なのです。
得意なこと、不得意なこと、運動神経、性格から容姿まで、どれをとっても私たちは全員が異なるものを持っています。
そのため、誰かと比べれば必ず、相手よりも優れた部分、劣る部分は出てきます。
他の誰も”あなた”にはなることはできません。
あなたには、あなたにだけ用意された特別な人生というものがあります。そしてそれはとても、とても貴重な人生です。
他人を意識しすぎると、もったいないことにあなたの本来の力を発揮できなくなったり、せっかくのチャンスに気付かなかったりと、よくないことを招いてしまいます。
あなたのためにせっかく用意されている素敵な人生を、しっかりと味わえなくなってしまうからです。
誰かと比べるのではなく、あなた自身に集中し、今あなたに与えられた環境で一生懸命生きることをまずは心がけてみてくださいね。
2. 小さなことにも感謝する心を忘れていませんか?
2つ目は、「どんなことにも感謝をすること」を習慣付けることです。
他人を羨ましがってばかりいる人は、目の前にある幸せやありがたさに気がついていません。
今すぐ、あなたが感謝できることを、どんな小さなことでもよいので5つ書き出してみてください。
どんなことが浮かぶでしょう?
・生んでくれて育ててくれた両親や家族
・子供
・仕事があること
・友人
・健康な体があること
・美味しいものを美味しいと味わえること
・暮らしていけるだけの収入があること
・毎晩眠る家があること
・家族が元気なこと
・・・・・
5つ挙げて下さいと書きましたが、おそらく5つでは足りないのではないでしょうか。挙げられるだけ挙げてみてくださいね。
ではここで質問です。
「あなたが挙げたものの中から、どれかひとつ取り上げられるとします。『これをあげます』と言えるものはどれですか?」
どれかを選ぶことはできたでしょうか。
おそらく、あなたがありがたいと思っているものの中から、捨ててもよいものなんてないでしょう。
どれもが、あなたにとっての『幸せの種』となっているからです。
あなたは、この中のいくつのものに対して、毎日真剣に感謝していますか?
「今当たり前だと思っていることが5分後には当たり前でなくなっているかも 」の記事でも書きましたが、あなたが今当たり前だと思っていることは、あと5分後には当たり前ではなくなっているかも知れません。
いつまでも他人を羨ましがって『ないものねだり』をしている間に、あなたの幸せな時間は逃げていってしまうのです。
このことによく気付けば、他人と比べている暇など自然となくなって行くでしょう。
3. 本当にその人の人生と変わりたいですか?
3つ目のコツです。
まずは、あなたが羨ましいと思っている人、どうしても嫉妬してしまう人を思い出してみてください。
その人の人生とあなたの人生、そっくりそのまま入れ替わっていいですよ、と言われたらあなたはどう思うでしょうか。
あなたが羨ましいと思うその人の一部分だけではありません。その人の人生、全てです。
当然あなたは今の家族とではなく、相手の家族と過ごすことになります。仕事先の同僚、そのほか関わる人たちもすべて、あなたは今の人たちを失って相手が過ごしている人たちと過ごします。そして、その人が過去に遭った辛いこと、困難、今でも人に言えない悩みごとなども、すべてを引き受けるのです。
そこまで考えた上で、再度、あなたがどう感じているのか、心とよく向き合ってみましょう。
羨ましいと思える部分以外では、その人も苦労をしているのかも知れません。羨ましいと思っている部分ですら、その人にとっては悩みかもしれませんし、ほかにも人には言えない悩みを抱えているかも知れません。家族関係や人間関係で嫌というほど辛い思いをしているかも知れないのです。
それでも、あなたはその人の人生を羨ましいと思うでしょうか。
他人が良く思えたり、嫉妬してしまうのは、ほとんどの場合、その人のたった一部しか見ていないからです。上っ面しか見ていないのです。
本当はどんな思いをしていて、どんな人生を歩んで来てそこまで来たのか、他人はあまり見ようとしません。都合よく、良く見える部分しか人は見ないからです。
本当はその人だって、あなたと同じように悩んでいるのかも知れません。
あなたと同じように、辛い時期があったのかも知れません。
私たちはそれぞれが、それぞれの人生を一生懸命生きている、ということをどうか心にとめておいてください。
ここで、ひとつの禅語をご紹介します。
『心外無別法(しんげむべっぽう)』
すべての現象は、人の心の現れであり、人の心によって起こるもの。
十分に恵まれているのに、自分は不幸だという人がいます。
まわりから見れば、何の不足もないのに、それでも自分は不幸だという。
こういう人はきっと、不幸の種を見つけるのが趣味なのでしょう。いってみれば「不幸思考」なのです。
不幸にならないためにすることは、一つ。それは不幸と感じないことです。
人生にはいいことも悪いこともたくさんあります。毎日のように小さな悪いことに遭遇する。
それをいちいち不幸だと感じていたら、それこそ不幸だらけの人生になってしまいます。それではつまらないと思いませんか。
小さなことも幸せを感じる心。そして少々悪いことが起こっても、鈍感になれる心。この二つの心をもつことです。
まとめ
どうしても他人を羨ましいと思ってしまったとき、この3つのコツを思い出して下さい。
1. あなたは唯一の特別な存在であることを知る
2. 感謝できることをどんな小さなことでも書き出してみる
3. 本当にその人の人生と変わりたいか考える
せっかくあなたとして生まれて来た人生です。あなたらしく、思い切り素敵に生きてみませんか?