過食症だったことについては「逆境を乗り越えるための7つのポイント」でも少し触れましたが、この記事では私が過食症を自力で克服した方法や症状についてお伝えします。過食スイッチが入って止まらず助けてほしいと思っている方はもちろん、何度もダイエットを繰り返してはリバウンドしてしまう方、ダイエットに失敗する自分を責めたり、意思が弱い自分に失望している方にも役立つ箇所があればと思います。過食や暴走は体の正常な反応であり、意志が弱いからダイエットに失敗している訳ではないのです。
もしあなたが今、過食症で苦しんでいたら、ひとつの提案資料として読んでみてくださいね。また、あなたのまわりで摂食障害で苦しんでいる方がいたら、このようなものなのだと理解するためのツールのひとつとしてお読み頂けたらと思います。
太ったと思っている自分を受け入れるのも、とても大切なことです。太った自分が嫌い、その気持ちは本当に分かります。私もそうだったし、今でもそう感じてしまうこともあるから。
でも自分を否定している限り、どんどん心は沈んでしまいます。そしてそのストレスがまた過食を生み出します。そもそも「太っている」という他人の言葉をそこまで気にする必要があるのでしょうか?体に支障をきたしたり病気になるほどでしたらお医者様と共に策を練る必要があると思いますが、多少ぽっちゃりしていたからといって、それが本当にダメなことなのかどうか?一度立ち止まって考えてみませんか?それは世間が、他人が、知人が、家族が、社会が勝手に押し付けてくる、彼らの「意見」にすぎないのではないでしょうか?
私の症状を一気に変えてくれたのはステップあやさんの著作「ステップあやの食べて痩せた!最後のダイエット」でした。彼女も摂食障害で長年苦しんだ方で、克服するまでの過程や、どのように治したら良いのか、栄養や心のことを含めて書かれています。彼女は現在もブログで投稿を続ける一方で、カウンセリングや講演会など精力的に活動されています。
私の場合、最終的にはステップあやさんの本のお陰で自力で治しました。過食症の時はベルギーに住んでいたので、現地で専門家やカウンセラー、お医者様など5人以上の方に診てもらいましたが、一向に良くなる気配はありませんでした。そんな中、あまりにも辛い状況をただ書き出したくて、読む人なんていないだろうと思いながらもブログに載せたところ(その記事だけを書いたブログで現在はありません)、ステップあやさんのことを教えて下さった方がいらしたのです。いまだにどなただったのかわからないのですが、命を救って下さった方で、本当に感謝しています。
ステップあやさんの本には目から鱗なことがたくさん書かれていて、過食症のことだけではなく、いかに自分が心の声を無視して、情報にがんじがらめになっていたのかを気付かせてもらうこともできました。
また、過食する行為は、脳がなんとか自分を守ろうとして起こしている正常なことあり、決して自分の意思が弱いから食べてしまうわけではない、ということがわかったのも非常に大きなポイントでした。とても気持ちが楽になったのを覚えています。
この記事でご紹介する方法は、メディアの情報、「医学的、科学的に根拠がある健康法」「〇〇ダイエット」「これだけでOK!」といった類のものではなく、どうしたら自分の体の声をしっかりと聴けるようになるのか、というお話です。
私たち一人一人、みんな体の作りは異なります。だからこそ、自分の心と体の声をしっかりと聴くことが大切になります。体が欲しがっている栄養を体の声から聴き、欲しているものを一口一口味わいながら食べることで、心も体も満足し、食欲も体重も自然と落ち着いていくのです。
このようなことは当たり前に聞こえるかもしれませんが、ありとあらゆる情報に左右されていたり、これは食べてはいけない、食べたほうがいい、と食べ物差別をしたり、食べる時間も今はいい、悪いと決めていたり、食べたいものを我慢してカロリーの低い方を選んだり・・・と頭だけで食べてしまっている限り、「体の声」を聴くことは非常に難しくなってしまうのです。
摂食障害のひとつ『過食症』とは?
厚労省のページには、摂食障害についてこのように書かれています。
食事の量や食べ方など、食事に関連した行動の異常が続き、体重や体型のとらえ方などを中心に、心と体の両方に影響が及ぶ病気をまとめて摂食障害と呼びます。摂食障害では、必要な量の食事を食べられない、自分ではコントロールできずに食べ過ぎる、いったん飲み込んだ食べ物を意図的に吐いてしまうなど、患者さんによってさまざまな症状があります。症状の内容によって、摂食障害は細かく分類されます。代表的な病気に神経性やせ症、神経性過食症、過食性障害があります。
過食症の場合、無理なダイエットをしては、その反動で大量の食べ物を詰め込み、嘔吐したり下剤を乱用することにより帳消し行為を行い(実際には帳消しにはならないです)、再びダイエットをしてはその反動で食べ物を詰め込む、ということを繰り返します。
そもそも無理なダイエットをしているため、体が危機的な状態だと判断して、体と心を満たすために必要な栄養素を欲するは正常なことなのですが、過食のスイッチが入って暴走してしまう行為が、さらなるストレスを生み出してしまうのです。「自分はダメなんだ、意志が弱いんだ(体が守ろうとして正常な判断をしているだけで、本当は意思の問題ではありません)」、と落ち込み、今度はその寂しさを埋めるために「もういいや!明日からまた食べなければいいんだし!」と再び暴走しては、帳消し作業をする、といった永遠のループにはまってしまいます。
過食症の暴走、ドカ食いは、一般的なダイエットのリバウンドと言われるものとは少し異なり、食べる量が尋常ではないことと(ホールケーキ2個などよく聞きます)、節制ダイエットとドカ食いを繰り返すこと、さらに、もうこれ以上食べられない、と体がいくら伝えても、脳や心が無理矢理に食べ物を押し込んで来る、といった非常に辛い状態です。
私はこのような「心と体がバラバラな状態」が一番辛かったです。本当に心と体がバラバラなことを感じざるを得ませんでした。菓子パンを10個くらい詰め込もうとする自分がいて、体はもう限界だと叫んでいる。でも頭と心が「食べろ」と命令する。本当は食べたくなんかない。それでも泣きながら心の指令に従ってパンを口の中に押し込み、それを泣きながら飲み込む作業・・・今思い出しても泣きそうになる程辛い体験でした。
このようなことを大体1週間-10日周期で繰り返し、私の場合は4年間続きました。目が覚めている時間は常に食べ物のことを考えている、食べ物の呪縛から離れられなくなった状態です。そうなると自然と、生きていること自体が辛くなります。明日また目が覚めて食べ物のことを考えるのかと思うと辛すぎて、翌朝目が覚めませんように、と言いながら寝る夜も増えました。過食の症状が出た日は必ずと言っていいほど、友人との約束もキャンセルするようになっていったのです。
体は常に私たちを生かそうとしてくれている
私たちの体は、健気なまでに、私たちの体をなんとか死なせないように、病気にならないように、元気でいてもらおうと働いてくれています。そのような中で無理なダイエットをすれば当然ながら、体は「飢餓がやってきた!大変だ!」という声を発します。そこで一番手っ取り早く栄養にできて満足できる、菓子パンやお菓子などの甘いものを欲してしまうのです。
ドカ食いになるの理由の中で一番激しい衝動を引き起こすのが「栄養不足」からくる体の食欲です。低カロリーでも高カロリーでも、体に必要な栄養が不足していれば、足りない栄養素を求めて体は空腹信号を送り続けるよ。
体が欲しがっている栄養で満たしてあげない限り、脳や体が悲鳴を上げ続けることになります。
体は果物だけじゃ足りないから、空腹信号を出して私に訴えてたのに、それを無視していたから反動の食欲におそわれた。しかも「これは太らない、この時間なら太らない」って体が求めてもいない時に求めてないものを入れるから、ちゃんと使われない→余る→太る。体の欲求は、その時々で優しく満たしてあげれば太らないというのが私の実感です。
(中略)
体の声を無視して、食べてはいけないもの、食べてはいけない時間帯を最初から決めつけていると、反動でドカ食いしてしまうという体験をしている方は多いはずです。しかも意思の力で体内に入れないようにと押さえていたものばかりが欲しくなるのです。
体が食べたがっているものには必ず理由があります。あなたの体を守るために食べたがっているのですから。だからこそ、その時、食べたいと本当に感じるものを味わいながら食べることが何よりも大事なのです。
食べ物差別をして罪悪感を感じながら食べると、その行為自体がストレスとなり、さらに食べてしまうことにもつながります。しっかりと噛んで、一口一口「美味しいね」と心を満たして食べることで、ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンが出て、心が安定し、お腹も満足してくれるのです。
心から味わうことで得られる満腹感は、ただ単に食べ物を詰め込んで満腹にした満腹感とはまったく異なる感覚です。
意思が弱いからダイエットが成功しないのではありません
ダイエットしても成功しない、リバウンドしてしまうのは自分の意思が弱いからだ、と思う方も多くいらっしゃると思いますが、それは体の誠実な反応であって、決して意思が弱いからではありません。どうか自分を責めないでくださいね。
私たちの体は、食べ物が制限され続けると、当然ながら危機感を覚えます。生命の危機、命の危険です。「そんな大袈裟な」と思われるかもしれませんが、体にとっては栄養が入ってこないというのは一大事なのです。
そこで脳は、なんとか私たちに食べさせようと指令を出します。でもダイエットをしている時は、その指令を無視して食べ物を我慢しますよね。我慢することこそがダイエット、というように。それでも脳は一大事という緊急事態の状況です。とにかく食べなさい、という指令を出し続けます。
その時に体内では血糖値が下がっています。
ドカ食いと呼ばれる突然大量に食べる暴走行為は、意思が弱いから起きるのではなく、体が一生懸命私たちを生かそうとして起こすことなのです。そういう時に何より手っ取り早いものが、菓子パンやお菓子といった甘いものです。すぐにエネルギーになりやすいからです。
一時的だとしても、とにかく体も心も満足させるために、脳も一生懸命なのです。
私たちはこのような状況に陥ったとき、「なんて意思が弱いのだろう」、「今日も食べ過ぎてしまった」、「私はなんてダメな人間なんだろう」と後悔します。するとストレスが生まれ、その寂しさを埋めるために、またやけ食いや暴走を引き起こしてしまうのです。でもこれもすべて、体が頑張ってくれている証拠なのです。
「食べたい時に食べたいものを食べたいだけ食べる」
体の声をきちんと聴いて食べる、というのは、「食べたいときに、食べたいものを、食べたいだけ食べる」ということ。
「体の声を聞いて食べたい時に食べたいものを、食べたいだけ食べる」と言うのは、「食べたくない時に食べたくないものを、食べたい量以上は食べない」という意味でもあるのです。暴飲暴食という意味ではないのです。
体の声を聴かずに”頭で食べる”と、お腹が空いていないのに「時間だから」という理由で食べたり、残すのは悪いと教わったからと、食べたくないのに無理して食べたり、本当はトンカツが食べたいのに体に悪いからと、お刺身定食にして我慢したりしてしまいます。
食べたいだけ食べるというのは、無理して詰め込むという意味ではありません。
食べているものに意識を向けながら食べると、最初は細胞の隅々までが美味しいと感じていたものが、だんだんと美味しくなくなってくるのがわかります。それが「もう満足しましたよ」という合図です。
食べたい時に、食べたい量をしっかりと味わって食べれば、心と体の両方が全身で満足します。心地よい満腹感を感じているわけですから、そこから暴食することはありません。
この快適な満腹感は、その日、そのときによっても異なります。体の感覚を無視して、頭や心でばかり食べるから、満足感をいつまでたっても得られずに、食べ過ぎて太ってしまうのです。食べたいものを、よく噛んで食べることで、満足感は広がります。一口一口を大切に味わって、おいしいと感じながら食べる。誰かと食事をするときは、会話を楽しみながら食べることで、ハッピーホルモンも増えていきます😊
メディアや他人に流されるのではなく自分の感覚を大切に
巷にはありとあらゆるダイエット方が蔓延していますが、結局はメディアや専門家と呼ばれる人たちが言うことよりも、自分の体の声が一番大事なのではないでしょうか。
結局、人と比べてどうでも、メディアの情報がなんといっても、自分自身の体・頭・心、全身が元気に動く食べ方が一番効果的ってことなんだと思う。今でも私は食べるべきとき(もの)よりも、食べたいとき(もの)を優先するようにしています。
(朝食は食べるべき、抜くべきという情報に惑わされた時期)ワケがわからなくて、「いつ、何を、どれくらい食べるべきか」を考えるのをやめました。自然にまかせて、体と心が快適な状態でいられる食べ方を優先したの。そしたら、痩せた。
その時の生活スタイルによって、運動量も頭を使う量も違うのだから、エネルギーの使われ方も違うわけだし、前回の食事の内容や時間、量などによっても体の状態は違うはず。糖質の体内の蓄えも、心のストレスで消耗される栄養だって人それぞれ、その時々で違うでしょう。みんな一律に、「これをこの時間帯にこのくらい食べれば痩せる」、なんて簡単なことがあるわけがないのです。
赤ちゃんや動物を見てもわかりますが、お腹がいっぱいなのに、それ以上に無理して食べることはないですよね。私たちも赤ちゃんの頃はその感覚を持っていたのです。今は感じ取れなくなってしまっているとしても、感じ取ろうとすることで、この感覚は必ず戻ります。そのためにも、メディアの情報に流されて頭で食べるのではなく、体の声を聴いて食べることが大切なのです。
炭水化物は太るから食べてはいけない、脂は太るからだめ、夜中に食べるべきではない、というように食べ物や食べ方の差別をしないで体の声に従ってみるのはどうでしょう?
体が何を欲しているかを知る感覚は、罪悪感や後悔で、食べたことを否定したり、炭水化物や脂質を太るものと思い込んだり、バランス食以外のものは太ると思っていたり、この時間帯は太る、この順番は太る、GI値の高いものは太る、という知識で食べ物や食べ方を差別しているうちは、全くわかりませんでした。
栄養学は、ごく基本的なことをのぞいては常に対立する意見があって、あちらの学説とこちらの学説は違うと言うことも多いし、時代とともにまだまだこれからも変わる可能性があるものだってことを頭の片隅に置いておくと、いちいち情報に振り回されずに、その時の自分の体が求めるものが分かってきます。
例えば夜中にお腹が空いたら、健康的なものでも良いのか、もしくはお菓子でないとダメなのか、一度体に聞いてみて、どうしてもお菓子が食べたい!と思ったら、しっかり味わいながら食べましょう。「おいしい」という幸せを感じながら食べることで、心も体も満足してくれます。罪悪感と共に食べたり後悔すると、この満足感を得ることができません。「もう食べてしまったんだから今日はいいや!」と暴走してしまう人も多いのではないでしょうか。
誰もがこれをこのくらい食べ、こう動けばみんな同じように理想の体重や体型になれる!なんて方法は世の中に一つもないのです。体も心もみんなそれぞれ異なるし、同じ人でもその時々で違うのだから。
本当に人それぞれ、同じ人でもその時々で違うのですから、そう簡単に計算できるものではないのですよね。
さらに、情報は常に変化します。少し前まで体に悪いとされていたものが良いとされるようになったり、良いとされるものが悪いとされるようになったり・・・皆さんも気付かれることは多いと思います。
ちなみに食品パッケージに表示されているカロリーですが、誤差はプラスマイナス20%まで許容範囲だということをご存知でしたか?消費者庁のページに、「たんぱく質、脂質、飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、コレステロール、 炭水化物、糖質、糖類、食物繊維、ナトリウム、熱量の許容差の範囲は20%」と明記されています。
プラスもマイナスも20%ということは、40%もの幅が許されているということです。100キロカロリー以下、と表示されているお菓子でも、実際はそれ以上の可能性もあるということです。よく98kcalとか198kcalとかいう数字を見て、これは100kcal以下だ、200kcal以下だ、と判断をされる方がいらっしゃると思いますが(私もよくやってました)、実際の数字はそれ以上の可能性もあるということです。レストランでメニューの横にカロリーが表示されていることがありますが、これもあの数字とピッタリ合っているということはまず難しいのではないでしょうか。持病があって特別な栄養の計算が必要な方は別として、数字を気にして頭で考えて食べる必要はないということです。
カロリーという数字だけで選んだものを頭だけで食べても、体や心は一切満足しません。何度も書きますが、食べ物に対する罪悪感を捨てて、おいしいと味わうことが非常に大事なのです。
体が本当にその食べ物を求めている時は、全身の細胞でそのおいしさを感じるものです。
せっかく食べたいものを食べるのですから、満足しながら食べないともったいないです😊
また、お米のほうが、パンなどの小麦粉製品よりよく咀嚼しますし、腹持ちすると言われていますが、体に合わないと感じるのなら玄米にこだわる必要はありませんし、パンがいけない、ということでもありません。ひとつの考えに固執するのではなく、いろいろなものを、体が感じるままに摂るのが自然なのではないでしょうか。
自分の体がどう感じるかが一番大切なのですから。
本当にお腹が空いているのかを確かめる方法
本当にお腹が空いているのか確かめる方法として紹介されているものを記載しておきますね。
1. 一度お水を飲んでみましょう。食欲が喉の渇きの場合もあるからです。これで落ち着いたら喉が乾いていたということ。
2. 何が食べたいのか体に聞いてみて、味を想像してみましょう。本当にそれが食べたいのかを確認します。
3. お腹が空いたけど食べたいものがわからない時は、どんな味のものが食べたいのか想像してみましょう。
4. 何も思い浮かばなければ、それは食べ物ではなく別のものを欲しているのかもしれません。例えば温かいお茶だったり、日光浴、音楽、アロマだったり・・・ 心が満たされることを試してみましょう。
いつでも好きな時に、食べたいものを食べていいんだ、と思えると、食べ物への執着がなくなり、食欲も落ち着いてきます。
しっかり食べると太るのでは?
体が食べたいと思うものを、食べたい時に、食べたいだけしっかり食べると、最初は体重が増えるかもしれません。でも、必ずあげ止まりというものがあり、そこからはゆっくりと体重が減っていくとされています。実際私もそうでした。
太ってしまったといって焦って無理なダイエットに戻ると、暴走→ダイエット→暴走→ダイエットという無限ループに入り、最初からまたやり直しになってしまいます。しっかりと体に栄養を定期的に送ることで、体も「もう飢餓は来ないんだね」と理解するようになります。飢餓状態で省エネ体質だった体から、むくみが引いて、食欲も落ち着き、増えた体重も自然と減って来るのです。
食べたい量を食べたら、それ以上は断る勇気も必要です。レストランの方はあなたの健康のことまではわかりませんから、あなたがお腹がいっぱいになって満足したのなら、そこでストップしていいのです。無理して気持ち悪くなってでも残さず食べてもらいたい、と思うお店の方はいないのではないでしょうか。お皿に食べる量を決めさせるのではなく、あなたが決めましょう。
体の声をきちんと聴けるようになると、美味しく食べられる時に食べたい、と思えるようになります。禁止食品を作らないことで、反動で暴走することもなくなるのです。ダイエット=我慢、ではないとステップあやさんがおっしゃっていますが、私もそう思います。
断食が合う人、合わない人
断食が合うか合わないかも人それぞれです。私の経験上、過食症の症状があるうちは反動の可能性が高いため、やらない方がいいのでは?と思いますが、もしかしたら断食がきっかけで治る方がいるかもしれないので、なんとも言えません。
合う人もいれば合わない人もいる。自分にとって心地よいものであれば、それは合っているということです。
朝食を食べるか食べないかも同様です。朝ごはんを食べて調子が良い人もいれば、悪い人もいる。
さらには、その日によって違うこともあるでしょう。
以前は朝食が合わなかったのに最近は食べたいと思うようになってきたとか、逆にお昼を抜いたほうがいいみたい、とか。
すべて人それぞれですし、同じ人でも、その時々で異なります。
「このようなデータがあるからこれが健康に一番いい」というものも必ず存在しますが、それはあくまでデータ上の話であって、あなたの体のデータではありません。
他人の体の話です。
他人の体の話より、自分の体に話を聞いてみませんか?😊
きっと、もっと聞いて、って話しかけてくれると思います。
食べ物だけではなく、すべてに言えることですが、自分の調子が悪くなるのなら自分には合っていないもの。調子が良くなるのならそれが合っているものです。そういう感覚をぜひ大切になさってくださいね。
人と比べたり他人の意見を気にする必要はない
人間一人としておなじ人はいません。見た目も性格も体の作りもすべて違います。それぞれが個性を持っているのですから、「人と比べて自分はダメだ」、なんて思う必要はひとつもないのです。
最近の世の中、働く女性にばっかりスポットライトが当たってて、キャリアを持つ女性が魅力的っていう価値観をいつの間にか刷り込まれていた。「女は子供を産んでこそ一人前」「子を産む人生の方が産まない人生よりも成長する」とかいう他人に意見もさらに自分に押し付けてました。でもそういう意見、「一般的にはそうかもしれないけど、私には合わないってこともあるんじゃないか?」と思い始めたの。キャリアウーマンやってて成長した、親になるコトで成長して楽しいよ、と他人は自分の価値観を語ってるだけに過ぎないのではないかと。
あなたを苦しめているその価値観は他人の余計なお世話、あなたが感じるコトがあなたにとっての正解。それでいいんです。人がどう言おうとあなたが心から楽しく笑顔でいられる人生を送っていれば、あなたの笑顔は本物になります。
世間で常識と言われているものが、自分の常識でなくていいのです。
他人の意見で言うと、私が過食症で本当に悩んでいた頃、知人に言われてとても傷ついた言葉が2つあります。一つ目はベルギー人から言われた「君の体は少し太ってるけど、健康状態は悪くないんでしょう?」です。「太ってる」と面と向かって言われてかなり傷つきました。自分が一番わかってますからね。街のウィンドウに映る自分の姿に何度悲しくなったことか。当然ですが、この日の夜はドカ食いしました💦
二つ目は、「拒食症よりはいいんじゃない?」です。拒食症は本当に命の危険性がありますから、入院を必要とする方も多いでしょう。ただ、過食症だから死なないのか?と言われれば、直接それで死ななかったとしても、私のようにどうやって自分の人生を終わらせようかと毎日考えている人もいるわけです。私は運良く止まりましたが、こういうのは本当に紙一重だと思っています。なので、過食症は拒食症よりはいい、と外部の人が本人を目の前にして言うのはちょっと酷かなと思います。
ただ、どちらも彼らの”意見”を言っているだけであり、それが”真実”かどうか、ということとは異なります。”意見と真実”、”意見と事実”は異なるのです。だから気にする必要はないのですよね。でも心が弱っている時に言われると、すごく傷つくもので、言葉は刃物のように突き刺さってしまうのです。
こういうことが起きたとき、私は決まって過食に走りました。辛いことから逃げるためです。脳はこの辛さを何とかしようと、食べ物で心を満たそうとします。体が健気に戦ってくれているわけです。
でも、辛さから逃げ出すために行う過食という行為が、さらに自分を苦しめることになるのなら、一時的には救われるかもしれませんが、本当の逃げ場にはなっていないのかもしれません。
逃げた先で苦しくなるのなら、それは逃げ場になっていないってことだよね。過食や運動、無理なダイエットや痩せの安心感や優越感も、そこに逃げた結果が苦しいなら、それはもう全然逃げ場になっていないってこと。自分をさらに追い詰めてるだけだよね。逃げ場のない生き方ばかりでは、心身が壊れちゃうのも無理ないと思う。苦痛を伴わず、ほんとの意味で「心地よいな」と感じる場所だけが自分を立て直すための逃げ場となるよ。
悲しい時にはその悲しみを抑え込まずに思い切り泣くことも大事です。他にも、音楽を聴いたり、散歩に出たり、歌を歌ったり、体を動かしたり。自分の気持ちをごまかさず、しっかりと受け入れてあげましょう。あなたが感じていることには必ず意味があるのですから、無視したらかわいそうです。
それに、自分が心地よいと思う体重や見た目と、他人がいいと思うものが必ずしも合致しているとは限りません。
その人はその体重が一位番ちょうど良いと思っているかもしれないのに、他人が「もっと痩せたほうがいいよ」とか「太り過ぎだよ」などと口を出すのもいかがなものかと思ってしまうのです。
私の周りでもいまだに「ちょっとふっくらしてるよね」などと言ってくる人がいます。でもそれは彼、彼女らの単なる「意見」であって、それが事実とか真実とか、正しいかとはまったく関係のないことです。そんな彼らの意見に左右されるのもバカバカしいな、と私は思っています。自分の体のことは自分で決めたいし、今は太る時期なのかもしれないし、意味があってぽっちゃりなのかもしれません。
世間一般的にこうだから、というものに当てはめる必要なんて、これっぽちもないのです。
症状の変化や期間も人それぞれ
過食の症状が一気に短期間で解決する人は少ないと言われています。必ず山があって、治ったと思ったらまた症状が出て、を繰り返しながら、少しずつその回復へと向かっていきます。私の場合は本を読んですぐに症状が消えたのですが、それでもまた暴走することはあると知っていたので、覚悟はできていました。その心の準備というか余裕があると、実際に過食のような症状がやってきても慌てることなく、以前とは違う感覚に気が付くことができると思います。
結果を急ぎすぎず、少しでも心や体に変化が起きていることに気付いてあげることが大切です。
楽しみを先延ばししないで今を楽しむ (^^)
私がよくやってしまったことのひとつです。太っている自分を否定して、「痩せたら外出しよう」「ダイエットができたら友達に会おう」など。でもそうしている間にも当然ながら、貴重な時間は過ぎてしまっているのですよね。何より今日が一番若いのですから。
太った自分を”仮の姿”と考えるのはやめた。その時々の自分の姿、体や心の状態を受け入れて、それを中心に物事を考えるようにしたの。同時に、「摂食障害が治ってから好きなこと、やりたいこと始めよう」って先延ばしにするのもやめた。
「痩せてから〜しよう」、「摂食障害が治ってから〜しよう」って、今の自分から幸せをとりあげず、たとえ1日に5分でも10分でも、今の自分でも楽しめること、見つけて行こうって決めたんだ。
仮に今の姿が気に入らないとしても、あなたの体はその一つしかありません。たった一個しかないのです。そして、その体はあなたのために一生懸命、あなたが眠っている間も働いてくれています。
そんな素晴らしい体のためにも、楽しみを作ってあげませんか?😊
ダイエットって、食事や運動だけじゃダメだと思ってるんです。アレコレ厳しく考え過ぎて疲れ切った心を癒し、生き生き人生を楽しめるようになることが、結局は体のダイエットにつながるってわかったから。もし、体重や体型を変えるダイエットだけに焦点を当てていたら、次から次へと出てくる「正しい食事や運動のやり方」に振り回されて、ますますストレス太りと食欲に悩んでいたかもしれません。だから、生き方について考えてみるのも私の中ではダイエットなんです。
仮に、ずっと理想の体型を維持できたとしても、ダイエット以外の生活と幸せ全て犠牲にしているのなら、そんなの幸せって言える?魅力的だっていえる?痩せてたって、自分が幸せじゃなきゃ意味がないじゃない?私は心から、そう思うのです。本当に美しくなることの意味、本当のダイエットの意味に、たくさんの人に気づいて欲しい。
元気な体があってこそ、脂肪燃焼できるんだってことと、自分の体が快適になる食べ方が最終的には正解なんだという基本は忘れないでくださいね。
最後に、ちょっとした運動のコツを。これだけ?と思われるかもしれませんが、すぐに忘れてしまうし、意識するとかなりキツイです(笑)
1. 肩甲骨どうしを寄せる。すると胸がつき出ます。これを常にキープ
2. でれっとお腹を突き出さず、内臓をギュッと持ち上げるような感じでお腹を薄くキープ。座ってる時も、立ってる時も、歩いてる時も、いかなる時もこの状態をキープ。
ずっとキープするのって結構辛くないですか?😁
ダイエットも自分の感覚を大切に
ダイエットというものが、単に体を痩せさせる、という意味ではないことは、あやさんがおっしゃる通りだと思います。
心と体が快適に、幸せに生きるためのひとつの手段です。
私が過食症の経験をしたのはもう10年以上も前になりますが、今でも食べ過ぎたり、食べるのが止まらないことは起こります。それに体重の変化もかなり激しい方だと思います。でもいちいち気にするのはやめました。過食症と、単なる食べ過ぎとの違いも明らかにわかるので、心配する必要はないなと思っています。
私は色々と試すのが好きなこともあって、断食がいいと言われれば試してみたり、プロテインがいいと言われれば飲んでみたりしたこともありますが、結局はあやさんの考え方に戻ってくるのです。
あれがいい、これが悪いという話は山ほど入ってきます。一度試してみるにしても、情報にそのまま流されるのではなく、体の反応、体の声を聴くことが何より大切だと思います。
私たちの体は全員が異なります。摂り入れた食べ物をどう消化して、どのような栄養素として役立てているのかも、当然ながら皆異なります。
でもひとつだけおなじなのは、体が一生懸命に私たちを生かそうとしてくれていることです。
そんな健気に頑張っている体の声を、もっともっと聴けるようになりたいと思っています。
私は過食症で悩んでいる方にはステップあやさんの書籍やカウンセリングをおすすめしていますが、摂食障害・過食症の悩み相談のコーチングも行なっています。ご興味のある方はお気軽にご相談くださいね。
今は辛くても、必ず治る日が来ることを信じて進んでいただけたら嬉しいです。