私は無宗教ですが、仏教の教えは、人としてのあり方についてとても素晴らしい教えを説いているので好きです。
今日は、「恩返し」のことについて、お寺の住職さんのお話をご紹介します。
- 『おかげさま』のこころをつないでいく -
苦しみや悲しみの中にいると、周りの人たちからの支援や協力を、ありがたく感じるものです。
その一方で、そういった支えに対して、何もお返しできていないと、心苦しく感じてしまう人もいらっしゃるのではないでしょうか。
困ったときはお互いさまなのですから、まずはその厚意を快く受け取ってよいのだと私は思います。そして、「おかげさまです」「ありがとうございます」と、感謝の気持ちを言葉にして伝えられたらいいですね。
やがて回復し、すこし余裕ができたのなら、そのときに「おかげさま」の心を返すようにすればいいのです。お金の貸し借りとは違いますから、必ずしも世話をしてくれた本人に返さなくてもいいんです。
そのときに、あなたの近くにいて、あなたの手助けを必要とする人に、それまであなたが受け取ってきた「おかげさま」の心を振り向けるようにできたらいいですね。(浄土真宗本願寺派安楽寺お藤澤克己住職の言葉より)
例えば親から受けた恩を返せていないうちに、親が天国に旅立ってしまった場合、受けた恩を自分の周りの人に返せば、その恩を与えた人(親)は喜ぶものだ、という話を聞いたことがあります。
Aさんから受けた恩を必ずしもAさんに返さなければいけないのではなく、ありがたく受けた恩は、自分の近くにいる人に返せば良いのです。
例えば、今あなたに子供がいるのなら、あなたがご両親から受けた恩を自分の子供に返したり、仕事上で上司から受けた恩を部下に返したり。見ず知らずの人から受けた恩を、自分の助けを必要としている人に返す、など。
あなたが受けたありがたい恩を返す相手は、あなたの近くにいる人で良いのです。
その人がまた恩を別の人に返していく・・・
このように良い恩返しの循環が生まれたら素晴らしいことです。
あなたを助けてくれた人も、あなたのその態度に心が温まることでしょう。