「どうして出来ないんだろう?」から「どうしたら出来るだろう?」へ

今出来る事を探す

」という月刊誌(2014年12月号)に、「くまもん経済効果」を生み出した熊本県蒲島知事のお話が掲載されていました。

 

地方行政というのはとかく国に頼りがちで、また他県と比べたがるものですが、国に頼らず、他県と比べず熊本県として県民幸福量の最大化を追求していこうと思いました。そのために職員には、できないと思うのではなく、どうしたらできるのかを考えようと言い続けました。

熊本県蒲島郁夫知事 致知2014年12月号より

 

人は、「ここまでだ」という制限を作ると、本当にそこまでが自分の限界となってしまいます。

「自分にはここまでしか出来ない」、「ここが限界だ」、「これ以上は無理だ」と決めたところまでしか進む事が出来ません。

逆に、「自分には無限の可能性がある」と言い聞かせれば、そのように脳が聞き取り遺伝子もオンになってくれます。

 

「出来ることは何だろう」ということに意識を持って行く事で、色々なアイディアが生まれ、壁だと思われていたことも突破出来るようになるのです。

このことは、コーチングの考え方とも一致しています。

「どうして出来ないんだろう?」ではなく、「どうしたら出来るだろう?」に意識を向ける。

そうすることで、「出来るかも知れないこと」、「今やるべきこと」が見つかるようになります。

 

職員に「皿を割れ」と言い続けて来ました。皿をたくさん洗う人はたくさんの皿を割ります。最悪なのは皿を割るのを嫌がって洗わない人ですね。だからどんどん 皿を割ろう、責任は私が取るからと言い続けて、その精神が浸透してきた結果、鳥インフルエンザの迅速な対応として表れたと思うんです。ですからいまの熊本 県は組織としてとてもキラキラ輝いているんじゃないかと思っています。

熊本県蒲島郁夫知事 致知2014年12月号より

 

組織のトップの方が「責任は取るから」という真剣な態度で物事に取り組んでいる姿を見たら、彼らに付いて行く人達は力強さ、心強さを感じ、一緒にやろう!とう気持ちが湧いて来ることでしょう。

上の人が頼りなかったり、自分のことしか考えていなかったとしたら、その人に付いて行こう、という気持ちにはなりにくいですよね?

県知事は働く人たちに、「これほどの決心がある人だったら、自分もついて行こう!」と思わせる、素晴らしい方だと思いました。

さらに私が感動したのがこちらです。

 

職員が自由に発想するためには既成概念を打破しなければなりませんが、そこで怒られたり笑われたりするとやっぱりいい発想も出てきません。ですから私は知事 になってから怒ったことはありません。これは大学で教えていた頃からそうですし、家庭でも妻や子供に怒ったことはないんです。怒らないで自分の思う方向に 組織を導いていくというのも一つの重要なリーダーシップだと思います。

熊本県蒲島郁夫知事 致知2014年12月号より

 

「家庭でも職場でも怒った事がない」

すばらし過ぎます!

怒られるのではないかとビクビクした気持ちで仕事をしていても、良いアイディアは浮かんで来ません。

色々なことを試しても大丈夫、という安心できる環境が、脳を活性化させ、素晴らしいアイディアや行動に繋がっていくのです。

出来なかった理由を考えるのではなく、出来る理由を考えること、とても大切です。